Newsインプラント治療と入れ歯の違いとは?種類ごとの選び方を歯科医が徹底解説
放置すると起こるリスクと、早期相談の大切さ
歯を失った状態をそのままにしておくと、見た目や噛みにくさだけでなく、お口全体のバランスにさまざまな影響が及びます。抜けた部分を補わないままにすると、周囲の歯が倒れ込んだり、噛み合う歯が伸びてきたりして、噛み合わせが乱れやすくなります。
その結果、他の健康な歯に過度な負担がかかり、むし歯や歯周病、顎関節の不調につながることもあります。また、しっかり噛めない状態が続くと、食事内容が偏り、全身の健康に影響する可能性も指摘されています。こうした変化は、痛みなどの自覚症状がないまま進行することも少なくありません。
歯を失った原因や本数、残っている歯の状態によって、適切な治療法は異なります。早い段階で歯科医院に相談することで、インプラント治療や入れ歯などの選択肢を含め、負担の少ない方法を検討しやすくなります。「まだ困っていないから」と放置せず、症状が軽いうちに現状を把握しておくことが、将来の治療の幅を広げることにもつながります。
治療法は「入れ歯・ブリッジ・インプラント」の3種類
歯を失った際の代表的な治療法には、「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント治療」の3種類があります。入れ歯は取り外し式の装置で、部分入れ歯と総入れ歯があり、比較的多くの症例に対応できます。外科処置を伴わない点が特徴ですが、装着感や噛む力には個人差があり、使用感に慣れるまで調整を重ねながら使っていく治療法といえます。
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えにして固定式の人工歯を装着する方法です。見た目や違和感が少ない一方で、健康な歯を削る必要があるという側面があります。
インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。周囲の歯に負担をかけにくく、噛む力や安定性に優れていますが、全身状態や骨量などを考慮したうえで適応を判断する必要があります。それぞれに特徴があり、「良し悪し」ではなく「適応の違い」として理解することが重要です。
自分に合う治療法を考えるための“判断軸”とは
「どの治療法が一番良いのか」と悩まれる方は少なくありませんが、治療法を選ぶ際には、いくつかの判断軸を整理することが役立ちます。たとえば、噛む力や安定性を重視するのか、外科的処置への不安があるのか、治療期間や費用面をどう考えるかといった点です。これらの優先順位は、人によって大きく異なります。
また、残っている歯や歯ぐき、骨の状態、年齢や持病、日常生活のスタイルも重要な要素となります。すべての方に同じ治療が適しているわけではなく、「自分の口の状態」と「生活背景」に合った選択が求められます。歯科医師と相談しながら、メリット・デメリットを理解したうえで検討することで、治療後の後悔を減らし、長く安心して使える選択につながります。
POINT
「どれが一番良いか」ではなく、「今の自分に合っているか」という視点で考えることが大切です。早めに相談し、選択肢を知っておくことが、将来の安心につながります。
2. 入れ歯の種類を理解する──部分入れ歯・総入れ歯・素材の違い
金属バネのある/ない、自費入れ歯の種類と特徴
入れ歯には大きく分けて「部分入れ歯」と「総入れ歯」があり、失った歯の本数や残っている歯の状態によって使い分けられます。部分入れ歯は残存歯に支えを求める構造で、一般的には金属のバネ(クラスプ)をかけて安定させます。この方法は安定性が高く、保険診療でも対応できる点が特徴です。
一方、見た目を気にされる方には、金属バネを使用しないノンクラスプデンチャーという選択肢もあります。歯ぐきに近い色調の樹脂で固定するため、会話や笑顔の際に目立ちにくく、審美面に配慮した入れ歯です。ただし、症例によっては保持力や耐久性に限界があるため、適応の見極めが重要になります。
また、自費入れ歯には金属床義歯やシリコン義歯など、素材や構造の異なる種類があります。金属床義歯は薄くて丈夫なため装着時の違和感が少なく、熱が伝わりやすい点も特徴です。シリコン義歯は歯ぐきへの当たりがやわらかく、痛みが出やすい方に配慮できる場合があります。素材選びは快適さや耐久性に直結するため、生活スタイルや使用目的を踏まえた選択が大切です。
入れ歯のメリット・デメリット
入れ歯の大きなメリットは、外科処置を行わずに歯を補える点です。全身状態や年齢に左右されにくく、持病のある方でも選択できるケースが多い治療法といえます。また、比較的短期間で治療が完了し、修理や調整がしやすい点も利点です。
一方で、噛む力は天然歯やインプラント治療と比べると弱くなりやすく、装着時の違和感や発音の変化を感じる方もいます。特に部分入れ歯では、支えとなる歯に負担がかかり、長期的にはその歯のむし歯や歯周病リスクが高まることもあります。
入れ歯は作って終わりの治療ではなく、顎や歯ぐきの変化に合わせて調整を重ねていく必要があります。定期的なチェックとメンテナンスを前提とした治療であることを理解しておくことが重要です。
入れ歯が向いている人・向いていない人
入れ歯が向いているのは、外科的処置に抵抗がある方や、全身疾患などの理由でインプラント治療が難しい方、比較的早く歯を補いたい方です。また、複数本の歯を失っている場合や、将来的に治療法を変更する可能性を残したい場合にも選択されることがあります。
一方で、「しっかり噛める感覚を重視したい」「取り外しに抵抗がある」「異物感が強いと日常生活に支障が出る」と感じる方には、入れ歯が負担になることもあります。入れ歯が合うかどうかは、歯や顎の状態だけでなく、性格や生活スタイル、清掃や管理を継続できるかどうかも含めて判断する必要があります。
歯科医師と十分に相談し、ご自身の価値観や生活に合った治療法を選ぶことが、長期的な満足につながります。
POINT
入れ歯には保険・自費を含めてさまざまな種類があり、見た目・装着感・耐久性は大きく異なります。外科処置を避けたい方にとって有力な選択肢である一方、噛む力や管理の手間も理解しておくことが大切です。自分の口の状態と生活スタイルに合った入れ歯を選ぶためには、素材や構造の違いを知ったうえでの相談が欠かせません。
3. インプラント治療とは?構造と特徴をやさしく解説
人工歯根を埋め込む仕組みと治療の基本ステップ
インプラント治療とは、失った歯の代わりに人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に被せ物を装着する治療法です。人工歯根は主にチタン製で、骨としっかり結合する性質(オッセオインテグレーション)を持っています。この結合が得られることで、歯が顎の骨に固定された状態となり、安定した噛み心地を得やすくなります。
治療は一般的に、①カウンセリングと検査(レントゲン・CTなどによる骨量や神経位置の確認)、②インプラント体の埋入手術、③骨と結合するまでの治癒期間、④被せ物の装着、という段階で進みます。症例によっては仮歯を用いながら経過をみることもあります。
骨の状態や全身の健康状態によって工程や治療期間は異なりますが、歯を失った部分を「歯根から再建する治療」である点が、入れ歯やブリッジとの大きな違いといえます。
“噛める力”と“見た目”と“違和感”の観点で入れ歯と比較
インプラント治療は、噛む力・見た目・装着時の違和感という点で、入れ歯と大きく異なります。顎の骨に固定される構造のため、噛む力は天然歯に近く、食事の際も力が分散しやすいのが特徴です。その結果、左右のバランスを保ちながら噛める感覚を得やすくなります。
また、歯ぐきから自然に歯が立ち上がる構造のため、被せ物の色調や形を周囲の歯に合わせやすく、審美的な満足度が高い傾向があります。取り外しが不要なため、会話中や食事中のズレ、発音への影響、異物感を感じにくい点も特徴です。
一方、入れ歯は外科処置を伴わない利点がある反面、噛む力や安定性には限界があり、長期的には顎の骨が痩せていく可能性も考慮する必要があります。こうした違いを理解したうえで、治療法を比較することが大切です。
インプラント治療が向いている人・避けた方がいいケース
インプラント治療が向いているのは、「しっかり噛める状態を取り戻したい」「見た目や違和感を重視したい」「周囲の歯に負担をかけたくない」と考える方です。顎の骨量が十分であること、糖尿病などの全身疾患が安定していることも、重要な条件となります。
また、治療後の定期的なメンテナンスやセルフケアを継続できる環境にあることも、インプラントを長く安定して使うためには欠かせません。
一方で、全身状態が不安定な場合や、重度の歯周病が未治療のままの場合、骨の状態によっては慎重な判断が必要になります。外科手術への不安が強い方や、通院・セルフケアが難しい生活環境では、入れ歯など他の治療法が適することもあります。インプラント治療は万能ではないため、複数の選択肢を比較しながら歯科医師と相談することが重要です。
POINT
入れ歯やブリッジとの違いを理解したうえで、自分の口の状態と生活背景に合った選択をすることが、長期的な満足につながります。
4. あなたに合うのはどれ?治療法の選び方ガイド
金属バネのある/ない、自費入れ歯の種類と特徴
入れ歯には大きく分けて「部分入れ歯」と「総入れ歯」があり、失った歯の本数や残っている歯の状態によって使い分けられます。部分入れ歯は残存歯に支えを求める構造で、一般的には金属のバネ(クラスプ)をかけて安定させます。この方法は安定性が高く、保険診療でも対応できる点が特徴です。
一方、見た目を気にされる方には、金属バネを使用しないノンクラスプデンチャーという選択肢もあります。歯ぐきに近い色調の樹脂で固定するため、会話や笑顔の際に目立ちにくく、審美面に配慮した入れ歯です。ただし、症例によっては保持力や耐久性に限界があるため、適応の見極めが重要になります。
また、自費入れ歯には金属床義歯やシリコン義歯など、素材や構造の異なる種類があります。金属床義歯は薄くて丈夫なため装着時の違和感が少なく、熱が伝わりやすい点も特徴です。シリコン義歯は歯ぐきへの当たりがやわらかく、痛みが出やすい方に配慮できる場合があります。素材選びは快適さや耐久性に直結するため、生活スタイルや使用目的を踏まえた選択が大切です。
入れ歯のメリット・デメリット
入れ歯の大きなメリットは、外科処置を行わずに歯を補える点です。全身状態や年齢に左右されにくく、持病のある方でも選択できるケースが多い治療法といえます。また、比較的短期間で治療が完了し、修理や調整がしやすい点も利点です。
一方で、噛む力は天然歯やインプラント治療と比べると弱くなりやすく、装着時の違和感や発音の変化を感じる方もいます。特に部分入れ歯では、支えとなる歯に負担がかかり、長期的にはその歯のむし歯や歯周病リスクが高まることもあります。
入れ歯は作って終わりの治療ではなく、顎や歯ぐきの変化に合わせて調整を重ねていく必要があります。定期的なチェックとメンテナンスを前提とした治療であることを理解しておくことが重要です。
入れ歯が向いている人・向いていない人
入れ歯が向いているのは、外科的処置に抵抗がある方や、全身疾患などの理由でインプラント治療が難しい方、比較的早く歯を補いたい方です。また、複数本の歯を失っている場合や、将来的に治療法を変更する可能性を残したい場合にも選択されることがあります。
一方で、「しっかり噛める感覚を重視したい」「取り外しに抵抗がある」「異物感が強いと日常生活に支障が出る」と感じる方には、入れ歯が負担になることもあります。入れ歯が合うかどうかは、歯や顎の状態だけでなく、性格や生活スタイル、清掃や管理を継続できるかどうかも含めて判断する必要があります。
歯科医師と十分に相談し、ご自身の価値観や生活に合った治療法を選ぶことが、長期的な満足につながります。
POINT
噛む力や管理の手間も理解しておくことが大切です。自分の口の状態と生活スタイルに合った入れ歯を選ぶためには、素材や構造の違いを知ったうえでの相談が欠かせません。
5. 入れ歯・ブリッジ・インプラントのメリット/デメリット一覧
費用・期間・見た目・噛む力で比較
歯を失った際の治療法には、入れ歯・ブリッジ・インプラント治療の3つがあり、それぞれ費用や治療期間、使用感に違いがあります。入れ歯は比較的費用を抑えやすく、外科処置を伴わないため治療期間も短い傾向がありますが、装着時の違和感や噛む力の弱さを感じる方もいます。また、取り外し式である点に心理的な抵抗を感じる方も少なくありません。
ブリッジは固定式で違和感が少なく、見た目も比較的自然に仕上がりますが、支えとなる両隣の歯を削る必要があるため、将来的にその歯の寿命へ影響する可能性があります。
インプラント治療は外科処置を伴い、費用や治療期間は長くなる傾向がありますが、噛む力や見た目の自然さに優れ、周囲の歯に負担をかけにくい点が特徴です。それぞれの治療法は「何を優先したいか」によって評価が変わるため、単純な優劣ではなく特徴の違いを理解することが大切です。
長期的に起きやすいトラブルとその対策
治療後のトラブルは、どの治療法でも起こり得ます。入れ歯では、顎の骨が痩せることで合わなくなったり、痛みやズレが生じることがあります。そのため、定期的な調整や作り替えを前提に考える必要があります。
ブリッジでは、支えとなる歯に負担が集中しやすく、清掃が不十分になるとむし歯や歯周病のリスクが高まります。日常のセルフケアに加え、定期的なプロフェッショナルケアが欠かせません。
インプラント治療では、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病に似た炎症が課題となりますが、早期発見と適切なメンテナンスを行うことで、長期的な安定を目指すことが可能です。いずれの治療法も、治療後の管理が寿命を大きく左右します。
治療法を中立に比較することが大切な理由
入れ歯・ブリッジ・インプラント治療には、それぞれ明確なメリットとデメリットがあり、「どれが一番良い」と一概に決めることはできません。年齢や全身状態、口腔内の条件、生活背景によって最適な治療法は変わります。
特定の治療法だけを勧めるのではなく、中立的な視点で比較し、ご自身の価値観や将来像に合った選択をすることが重要です。治療後の生活まで見据えて選択することで、「治して終わり」ではなく「長く快適に使い続ける治療」につながります。
正しい情報をもとに冷静に検討し、専門家と相談しながら決めることで、治療後の満足度や安心感が高まります。
POINT
入れ歯・ブリッジ・インプラントには、それぞれ得意な点と注意点があります。費用や期間だけで判断するのではなく、噛む力、見た目、将来のメンテナンスまで含めて比較することが重要です。
6. インプラント治療の流れ──相談から完成までのステップ
初診カウンセリング・検査の内容
インプラント治療は、まず初診カウンセリングから始まります。この段階では、現在のお口の悩みや治療への不安、過去の治療歴、全身の健康状態(持病・服薬状況など)を丁寧に確認します。インプラント治療は外科処置を伴うため、糖尿病や骨粗しょう症、喫煙習慣の有無なども含め、全身状態の把握が非常に重要です。
あわせて口腔内診査やレントゲン撮影を行い、歯ぐきの状態や噛み合わせのバランスを確認します。そのうえで、インプラント治療だけでなく、入れ歯やブリッジといった他の治療法も含め、どの選択肢が考えられるかを整理していきます。
この段階で「本当にインプラントが適しているか」「別の方法の方が負担が少ないか」を慎重に検討し、無理に治療を進めることはありません。十分な説明と対話を重ねることが、安心して次のステップへ進むための土台となります。
CT診断をもとにした治療計画と手術の流れ
インプラント治療では、歯科用CTによる三次元的な診断が欠かせません。CT検査では、顎の骨の量や質、神経や血管の位置、上顎洞との距離などを立体的に把握することができます。これにより、安全性に配慮した治療計画を立てやすくなります。
診断結果をもとに、インプラントを埋め込む位置や角度、本数を決定し、必要に応じて骨造成(骨を補うための処置)を行うかどうかも判断します。手術は通常、局所麻酔下で行われ、症例によっては抜歯と同時にインプラントを埋入することもあります。
処置時間や回復の経過には個人差があるため、事前に治療の流れや術後の注意点をしっかり説明し、不安をできるだけ軽減しながら進めていくことが大切です。
治療後の仮歯期間・メンテナンス体制
インプラントを埋入した後は、骨とインプラントがしっかり結合するまでの「治癒期間(体がなじむための時間)」を設けます。この期間中、見た目や日常生活への影響に配慮し、仮歯を装着するケースもあります。
仮歯は単に見た目を補うためのものではなく、噛み合わせのバランスや清掃のしやすさ、違和感の有無を確認するための重要な工程です。この期間に得られた情報をもとに、最終的な被せ物の形や噛み心地を調整していきます。
最終的な人工歯を装着した後も、インプラント治療は終わりではありません。インプラント周囲炎を防ぐためには、定期的なメンテナンスと正しいセルフケアの継続が不可欠です。治療後の管理まで含めて考えることが、インプラントを長く安定して使い続けるための重要なポイントとなります。
POINT
インプラント治療は「手術をして終わり」ではなく、事前の診断・計画、治療後の調整やメンテナンスまでを含めた長期的な治療です。
7.「痛み・腫れが不安…」にどう向き合う?負担を減らす取り組み
麻酔や鎮静法で恐怖や不快感を軽減
インプラント治療を検討する際、多くの方が不安に感じるのが「手術中の痛み」や「怖さ」です。実際の治療では、局所麻酔を十分に効かせたうえで処置を行うため、手術中に強い痛みを感じることは一般的に少ないとされています。
麻酔がしっかり効いている間は、歯を抜く処置やインプラントの埋入時も、押されるような感覚や振動を感じる程度で進むケースが多くあります。
また、緊張が強い方や歯科治療に強い恐怖心をお持ちの方には、鎮静法(静脈内鎮静など)を検討する場合もあります。鎮静法は、点滴によってリラックスした状態をつくり、うとうとと眠っているような感覚で治療を受けられる方法です。意識は保たれていますが、不安や緊張が和らぐことで、治療中の不快感を軽減しやすくなります。
どの麻酔や方法が適しているかは、全身の健康状態や不安の程度をふまえて判断することが大切です。
低侵襲手術で腫れ・痛みを抑える工夫
術後の腫れや痛みをできるだけ抑えるためには、低侵襲(体への負担が少ない)な手術を行うことが重要です。事前に歯科用CTで顎の骨や神経、血管の位置を正確に把握することで、必要以上に切開することを避け、最小限の処置でインプラントを埋入しやすくなります。
また、インプラント治療では骨の状態に応じて骨造成などの処置が必要になることもありますが、その場合も症状や条件に合った方法を選択することで、身体への負担を抑えることが可能です。
「インプラントは大きな手術」というイメージを持たれることがありますが、適切な診断と治療計画のもとで行われた場合、術後の回復が比較的スムーズに進むケースも少なくありません。
術後に気をつけること・回復を早めるコツ
インプラント治療後の回復を順調に進めるためには、術後の過ごし方がとても重要です。手術当日は、強いうがいや飲酒、激しい運動を避け、できるだけ安静に過ごすことが勧められます。
処方された痛み止めや抗菌薬は、自己判断で中断せず、指示どおりに服用することで、痛みや感染のリスクを抑えやすくなります。腫れが出た場合は、必要に応じて患部を軽く冷やすことが有効ですが、冷やしすぎには注意が必要です。
また、喫煙は血流を悪くし、治癒を遅らせる要因となるため、術後一定期間は控えることが望ましいとされています。術後の経過には個人差があるため、違和感や不安な症状が続く場合は、我慢せず早めに歯科医師へ相談することが大切です。
POINT
インプラント治療の痛みや腫れは、「事前の対策」と「術後の過ごし方」によって大きく左右されます。不安を我慢するのではなく、麻酔方法や回復の流れを理解し、必要に応じて相談することで、負担を抑えながら治療を進めることが可能です。
8. 費用・期間・通院回数──知っておきたい現実的な目安
インプラント治療の費用構造と期間
インプラント治療は、保険が適用されない自由診療となるケースが多く、費用はいくつかの工程に分かれて構成されています。具体的には、事前の検査・診断、顎の骨に人工歯根を埋め込む手術(インプラント体)、その上に装着する被せ物(上部構造)といった段階ごとに費用が発生します。
また、顎の骨量が不足している場合には、骨造成などの補助的な処置が必要になることもあり、その内容によって費用や治療期間は変わります。
治療期間は、インプラント体と骨がしっかり結合するまでの待機期間を含め、数か月単位で進むことが一般的です。症例によっては仮歯を装着しながら、見た目や日常生活への影響を抑えて治療を進めることもあります。
通院回数も一度で完了するものではなく、複数回に分かれます。そのため、治療を始める前に「どのくらいの期間・頻度で通院が必要か」を具体的に確認しておくことが、安心して治療に臨むためのポイントとなります。
入れ歯の費用幅と調整にかかるコスト
入れ歯には、保険診療の入れ歯と自費診療の入れ歯があり、費用の幅が比較的広い治療法です。保険の入れ歯は費用を抑えやすい一方で、素材や設計に制限があり、装着感や見た目の面で違和感を覚える方もいます。
一方、自費の入れ歯では、金属床やノンクラスプデンチャーなど、噛み心地や審美性に配慮した選択肢を検討することが可能です。
ただし、入れ歯は顎の骨や歯ぐきの変化を受けやすく、使用を続ける中で定期的な調整や修理が必要になります。そのため、初期費用だけでなく、長期的にかかる通院や調整の時間・費用も含めて考えることが重要です。
入れ歯は「作ったら終わり」の治療ではなく、使いながら管理していく治療法である点を理解しておくと、治療後のギャップを感じにくくなります。
無理なく治療を進めるための“費用計画”という考え方
歯を失った後の治療は、単に「費用が安いか高いか」だけで判断するのではなく、治療後の管理や将来的な再治療の可能性も含めて考えることが大切です。たとえば、初期費用を抑えられても、頻繁な調整や作り替えが必要になれば、結果的に負担が大きくなる場合もあります。
インプラント治療・入れ歯・ブリッジには、それぞれ費用、治療期間、メンテナンス内容に違いがあります。ご自身の生活状況や将来の見通しに合わせて、「無理なく続けられる治療かどうか」という視点で考えることが、後悔の少ない選択につながります。
治療費について不安や疑問がある場合は、遠慮せずに相談し、納得できるまで説明を受けたうえで進めることが大切です。歯科医師と一緒に無理のない費用計画を立てることで、安心して治療に向き合うことができます。
POINT
事前に現実的な目安を把握し、無理のない費用計画を立てることで、治療後も安心して通い続けられる選択につながります。
9. 長持ちさせるために必要なメンテナンス
インプラント周囲炎を防ぐセルフケア
インプラントは人工の歯のため、天然歯のようにむし歯になることはありません。ただし注意が必要なのが、インプラントの周囲の歯ぐきや骨に炎症が起こる「インプラント周囲炎」です。これは、歯周病に似た状態で、インプラントの周りに汚れがたまることで起こります。
原因の多くは、歯の表面に付着するプラーク(歯垢)で、初期の段階では痛みや腫れなどの自覚症状がほとんどないまま進行することもあります。そのため、気づいたときにはインプラントを支える骨が減ってしまっているケースも少なくありません。
予防の基本は、毎日の丁寧なセルフケアです。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを併用し、インプラントと歯ぐきの境目を意識して清掃することが大切です。ただし、力を入れすぎると歯ぐきを傷つけてしまい、かえって炎症の原因になることもあります。
ご自身のお口の状態に合った清掃方法や道具について、歯科医院で確認しながらケアを続けることで、インプラントを安定した状態で長く使いやすくなります。
入れ歯を快適に維持するための調整とプロケア
入れ歯は、使い続けるうちに歯ぐきや顎の骨の形が少しずつ変化するため、時間の経過とともに合いにくくなることがある装置です。合わない状態を我慢して使用すると、痛みや外れやすさだけでなく、噛み合わせの乱れや顎への負担につながることがあります。
そのため、入れ歯は「作って終わり」ではなく、定期的な調整を行いながら使っていく治療と考えることが大切です。歯科医院では、入れ歯が当たっている部分や噛み合わせの状態を確認し、必要に応じて細かな調整を行います。また、専用の器具を使ったクリーニングにより、目に見えにくい汚れや細菌を取り除くことも重要です。
ご自宅では、入れ歯用ブラシでの清掃や洗浄剤の使用、就寝時の適切な保管方法を守ることで、清潔で快適な状態を保ちやすくなります。正しいお手入れと定期的なプロケアの両立が、入れ歯を長く使うためのポイントです。
生活習慣・クセ・噛み合わせが寿命に与える影響
インプラントや入れ歯の寿命は、治療そのものだけでなく、治療後の生活習慣やお口の使い方によっても大きく左右されます。たとえば、歯ぎしりや食いしばりのクセがある場合、無意識のうちに強い力がかかり、インプラントや入れ歯に負担が集中してしまうことがあります。その結果、破損や噛み合わせのズレが生じる可能性があります。
また、喫煙は歯ぐきの血流を低下させ、インプラント周囲炎のリスクを高める要因とされています。さらに、わずかな噛み合わせのズレでも、長期間にわたって特定の部位に負担がかかり、トラブルにつながることがあります。
定期的な噛み合わせのチェックや必要に応じた調整を行い、生活習慣やお口のクセを見直すことが、治療後の状態を安定させる近道です。歯科医院での継続的なメンテナンスを受けながら管理していくことが、インプラントや入れ歯を長持ちさせるための、最も現実的で確実な方法といえるでしょう。
POINT
毎日のセルフケアと、歯科医院での定期的なチェック・調整を続けることで、トラブルを防ぎ、長く安心して使い続けやすくなります。
10. FAQ──インプラント治療・入れ歯に関するよくある質問
Q1. インプラントと入れ歯は、どちらが良い治療ですか?
インプラントと入れ歯のどちらが「良い」と一概に決めることはできません。歯を失った本数や顎の骨・歯ぐきの状態、生活スタイルや治療に対する考え方によって、適した治療法は変わります。
インプラントは顎の骨に固定するため、噛む力や安定性に優れ、見た目や違和感の少なさを重視したい方に向いています。一方で、外科処置を伴うため、全身状態や治療期間を考慮する必要があります。
入れ歯は外科処置を行わずに歯を補える方法で、身体への負担が比較的少なく、将来の変化に応じて調整しやすい点が特徴です。大切なのは「どちらが優れているか」ではなく、ご自身に合っているかどうかを基準に考えることです。
Q2. 骨が少ないと言われました。インプラントはできますか?
顎の骨が少ない場合でも、必ずしもインプラント治療ができないとは限りません。骨造成と呼ばれる、骨を補う処置を組み合わせることで対応できるケースもあります。
ただし、骨の量や質、全身の健康状態によっては身体への負担が大きくなることもあります。歯科用CT検査などで状態を詳しく確認し、無理のない治療計画を立てることが重要です。
Q3. 手術が怖いのですが、痛みはありますか?
インプラント手術では局所麻酔を十分に効かせて行うため、処置中に強い痛みを感じることは一般的に多くありません。
手術後は、腫れや違和感、軽い痛みが出ることがありますが、多くの場合は数日から1週間ほどで落ち着いていきます。事前に不安を伝えることで、配慮した治療方法を相談できる点も安心材料です。
Q4. インプラント治療は何歳まで受けられますか?
インプラント治療に明確な年齢制限はありません。年齢よりも重要なのは、全身の健康状態や顎の骨の状態、治療後のケアを継続できるかどうかです。
高齢の方でも条件が整えば治療を受けているケースはあります。年齢だけで判断せず、一度相談することが大切です。
Q5. 入れ歯とインプラントの費用差はどれくらいですか?
一般的に、インプラントは自費診療となるため、入れ歯よりも初期費用が高くなる傾向があります。一方、入れ歯には保険診療の選択肢があり、費用を抑えやすい点が特徴です。
ただし、調整や作り替えなどの長期的な通院を含めて考えることが重要です。初期費用だけでなく、将来的な負担も含めて比較すると納得しやすくなります。
Q6. 治療期間はどのくらいかかりますか?
入れ歯は比較的短期間で完成することが多く、数週間程度で使い始められる場合があります。
インプラント治療は、骨と結合するための治癒期間を含め、全体で数か月かかることが一般的です。事前にスケジュールを確認しておくことが安心につながります。
Q7. 喫煙していてもインプラントはできますか?
喫煙は血流を悪くし、治癒を妨げる要因となるため、インプラント治療ではリスクが高くなると考えられています。
治療が不可能というわけではありませんが、禁煙や本数を減らすよう勧められることがあります。生活習慣について正直に相談することが、安全な治療につながります。
Q8. メンテナンスはどれくらいの頻度で必要ですか?
インプラント・入れ歯ともに、3〜6か月に一度の定期検診が目安とされることが多いです。
噛み合わせや清掃状態を定期的に確認することで、大きなトラブルを未然に防ぎやすくなります。
Q9. インプラントはどれくらい持ちますか?寿命はありますか?
適切なセルフケアと定期的なメンテナンスを続けることで、長く使用されている例もあります。ただし、歯ぎしりや生活習慣、噛み合わせによって差が出ます。
治療後の管理が、使用期間に大きく影響することを理解しておくことが大切です。
Q10. 初診で相談だけでも大丈夫ですか?
はい、相談のみでも問題ありません。現在のお口の状態を知り、治療の選択肢を整理することが第一歩です。
無理に治療を進めることはなく、不安や疑問を解消するための相談として来院される方も多くいらっしゃいます。
POINT
インプラント治療や入れ歯は、「情報を知ったうえで選ぶこと」が何より大切です。疑問や不安をそのままにせず、相談しながら自分に合った治療法を見つけることが、後悔の少ない選択につながります。
患者さん1人ひとりに寄り添った診療を
監修:横浜グランアズーリデンタルクリニック鶴ヶ峰
所在地〒:神奈川県横浜市旭区鶴ケ峰2丁目9−1
電話番号☎:059-245-5358
*監修者
横浜グランアズーリデンタルクリニック 理事長 駒ヶ嶺 大輔
*出身大学
昭和大学歯学部卒業
*経歴
・大和徳洲会病院歯科 口腔外科研修医
・日本大学医学部付属板橋病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科学系 歯科口腔外科学分野 入局
・日本大学医学部付属板橋病院 麻酔科 医科麻酔研修 修了
・日本大学 医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学系 歯科口腔外科学分野 現在は非常勤
*所属
・口腔インプラント学会
・日本歯周病学会
・5-D japan
・5-DFST













